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ビジュアルプログラミングの必要性

ビジュアルプログラミングとは

 皆さんは「ビジュアルプログラミング」と呼ばれるものを聞いたことがありますか?プログラミングと聞くと、テキストでコードを記述する様子を想像するかもしれませんが、ビジュアルプログラミングはそうではありません。
 ビジュアルプログラミングでは、アイコンや絵などの視覚的なオブジェクトでプログラムを記述します。子ども向けの教育で使われることが多く、中でも有名な「Scratch」は聞いたことがあるという方が多いかもしれません。僕自身子ども向けプログラミング教室の講師をしているのですが、こちらでもビジュアルプログラミングを取り入れています。

必要性

 「プログラミング能力を培うのであれば、コーディングを覚えさせた方が良いのではないか」、そう思われる方がいるかもしれません。僕自身もかつてはそのように考えていました。しかし、プログラミング教育に広くビジュアルプログラミングが採用されているのには、れっきとした理由があります。

 第一に、子ども(特に低年齢の子ども)がいきなりコーディングを行うというのはなかなか難しいものです。通常のコーディングはキーボード操作や英単語などの覚えるべきことが多いため、習得に時間がかかり、子どもたちのモチベーションにも繋がりにくいです。
 このような弱点を解決するのがビジュアルプログラミングです。マウス操作でプログラミングが行えるため、通常のコーディングよりも直感的にプログラムを作成することができます。

 また、勘違いされることが多いのですが、プログラミング教育は「プログラミング能力を培う」ことが目的ではありません。プログラミング教育は「プログラミング的思考」を育むことを目的としています。文部科学省は、プログラミング教育とプログラミング的思考について以下のように述べています。

プログラミング教育とは、子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。 小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)


自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力 小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)

文面から分かる通り、プログラミング教育は「プログラミングができるようになること」を目的としていません。あくまで「プログラミングを通して論理的に物事を考える力を身に付けること」を目的としています。ビジュアルプログラミングを用いることで、子どもたちに直感的でわかりやすい形でプログラミング的思考を身に付けさせることができます。

結論

 プログラミング教育が注目されているのは、別にプログラマを量産したいからなどというものではありません。プログラミングを通して論理的思考力を育み、主体的に物事を解決する力を身に付けさせるためです。この能力を身に付ける上で、ビジュアルプログラミングこそ最適な手段と言えるのではないでしょうか。